瀬々敬久(映画監督/「菊とギロチン」)

京都大学の学生だった1980年代の初頭、僕は京大映画部に所属していました。映画部は西部講堂で自主上映をやっていたので必然的に西部講堂の自主管理に参加していたのです。当時も芝居や音楽に携わる表現の人々や運動系の人たちが多く出入りして非常に刺激的でした。年齢も出自も違う人たちが集まり「自主管理」「自由」を目指し西部講堂を基盤にして何かを発信し連帯する。その雰囲気のなかで考え教えられたものは大学の授業より多くあります。その後、自分が映画監督になっても、いつもここで感じたことが作品つくりの根っこになっていた気がします。その後、何度か西部講堂で自作を上映してもらったりもしましたが、自分が関わっていた時代から40年近く経ち、時代はどんどん上からの締め付けやキナ臭い感じになっている中、再び西部講堂魂とでも言ったらよいのか自主製作に立ち返って作った映画『菊とギロチン』を西部講堂で上映できるのは、今もっとも必要とされている何か、それこそ「自主自立」「自由」を考えられる場になれるのではないかと思っています。


麿赤兒(大駱駝艦主宰 / 舞踏家 / 俳優)

ああ! 高瀬泰司が旅立ってからもう33年か。泰ちゃんに勇気付けられた大駱駝艦。草創期のあの日々よ! それを深く想いつつ、この身を供する!


田所大輔(京都大学博士課程院生 / 当企画主催)

1960年代よりその使用が開始された京大西部講堂。西部講堂で行われた、60年代~80年代へ至る文化創造の輝きは今失われつつあるが、それは何も西部講堂のみがその光を失ったわけでなく、社会全体からクリエイティブな熱意が失われたと言えよう。このまま、衰退を見守るのか、それとも再始動するかのタイミングが今だ。今回、自主管理空間・京大西部講堂で2日連続映画イベントを開催。1日目は、社会運動の現実を収めた日本を代表するドキュメンタリー映画である1969年の映画「パルチザン前史」の16mmフィルム上映。2日目は、社会運動をテーマに据えつつ、実在した女相撲興行とのぶつかり合いを群像劇化した、2018年公開の映画「菊とギロチン」の上映。この2つに、興味深い対称性を見出せることは間違いなく、ここから次世代の創造性が始まるだろう。映画興行の枠を超えるべく、音楽や舞踏へもアプローチする。大駱駝艦主宰・麿赤兒と渋さ知らズ主宰・不破大輔を招致する。このことにより、幅広い客層に恵まれること必至。特に、狭いコミュニティーからの集客でなく、老若男女問わず、主義主張問わない来場者とともに、貴重な機会を作りたい。